「山口雪子さんを支える会」会員のみなさま
いつも温かいご支援をいただきまして、どうもありがとうございます。
署名と11月29日の裁判に関するご報告を、ゆきこ通信No.8としてお届けいたします。

支える会事務局長・重田雅敏
 11月29日の口頭弁論の傍聴では、お世話になりました。支援者の皆様、お疲れ様でした。
 さて、岡山パブリック法律事務所・中村弁護士と支える会事務局・藤原さんのおかげで、現時点での署名数が分かりました。
インターネット署名 2140筆(既に終了しています。)
点字署名234筆(既に終了しています。)
用紙署名4,610筆(5月30日に文部科学省に提出した数。)
用紙署名5,282筆(5月30日から現時点までの数、用紙署名は継続しています。)
合計 12,266筆でした。
全国の視覚障害者団体、教育関係者、ボランティアグループなど、本当に様々な立場の方から署名をしていただいております。多くの方々に応援し支えていただいていることに心より感謝しております。
 続いて11月29日の概要報告をいたします。
白杖を持った方が約20名、盲導犬が4頭、私も最前列で、点字板で記録しました。さらに、車いすの方が1名いらっしゃいました。傍聴席は満席で入りきれなかった人がいたと後で伺いましたし、東は埼玉県、西は宮崎県と多くの岡山県以外の方も傍聴に来られていました。裁判長は入廷退廷の時や証人宣誓の時に「目の見えない方は起立しなくて結構です」「傍聴席の方は立つ必要はありません」と毎回一言添えてくださり、視覚障害者への配慮をきちんとしてくださいました。さらに、証人として、山口雪子さんと同じ視覚障害の大学教授であり国連の障害者権利条約評価委員で、内閣府の障害者政策検討委員長の石川准さんが、近年の障害者にたいする考え方の変化、国連や日本政府の障害者差別解消への取り組み、障害者個々に対する合理的配慮のあり方などを分かり易く答弁してくださいました。
 おかげさまで、この裁判の目指すものが、障害者差別の解消であり、共生社会の実現であることを、しっかり印象づけることができたと思います。また、山口雪子さんも短大での授業復帰について答弁し、環境教育、インクルーシブ教育、授業内容の適格性、学生との心の繋がりなどについて堂々と答弁しました。強い熱意と高い専門性があることを十分に伝えることができたと思います。この裁判の判決が、障害者排除の事実や合理的配慮のあり方という観点から判断されるのであれば、当然のことながら勝訴の可能性はきわめて大きくなったと感じます。
 3月28日には判決が言い渡されます。

 障害者差別解消法と改正障害者雇用促進法の施行から1年、その効力が漸く社会全体に、そして個々の障害者に及んできたことを、勝訴の判決を聞くことによって実感し、みんなで喜び合いたいと願っています。
 ただ、ここで大きく心配されることがクローズアップされました。裁判中に短大側証人の主任教授と学長の答弁から感じたことです。それは、発言した人たちがあまりにも障害者にたいして、無関心で、弱い立場の人に良心の呵責なくパワーハラスメントを加える人たちだということです。そして恐ろしいのは、どんな場面でも自身の都合で事実と異なる証言ができる人たちだとわかったことです。
 もともと視覚障害のある山口雪子さんを排除しようとしたことから、この問題が発生して、裁判にもなっていますが、法廷で虚偽を述べないと宣誓していながら、主任教授は山口さんの弁護士から「山口さんに関わるな」と恫喝されてトラウマになっていると感情をあらわに証言しました。
 もちろん、弁護士さんにはそんなことをする機会も権限もありません。主任教授は、山口さんのありもしないプライベートなことまで引き合いに出して、憶測だけで無責任な証言をしました。裁判とは何の関係もないことです。
 学生たちの些細な問題行動を、あたかも山口さんの致命的な失点として仕立て上げて退職勧奨の理由を造ったのもこの主任教授です。また、学長は、山口さんは評価のテストやレポートを、内容ではなく分量だけで判断していたと証言しました。ペーパーテストを見て採点できないものには教員はさせられない。見えないので何が起きるかわからないと法廷で証言しました。全国には理療科と普通科を合わせて数百名の教員が、補助者に読み上げてもらって、支障なくテストやレポートの採点をしています。また、学長は、山口さんを教員として届け出ても業績が足りないから認可されない、山口さんの授業は授業内容として認められず、単位数不足で授業のやり直しを命じられてしまうと強調しました。しかし、そのような指針や規定は存在せず、現にこれまで認められています。
 また、男性の教授は、視覚障害の山口さんの指導で栽培したイモについて、「イモとは言えない小さいもの」で、「こういう小さいイモをつくるのは逆に難しいと思った」という発言をしましたし、主任教授は山口さんの後任の先生と今年は2人で20センチのさつまいもが作れたと、得意そうにサツマイモの大きさをジェスチャーで示したり「写真も撮っています」と証言しました。障害者は一人前にできないからいてほしくない。障害者と健常者の実力の差はこの通り。そんな発想の人たちの中に、山口さんを復帰させることには、大きな不安があります。しかも、短大側の提示しているところでは、山口さんはキャリア支援室で毎日それも一日中そこで過ごして、前述の主任教授の指示と監督を受けて、学科事務をすることになります。主任教授からどんなパワーハラスメントをされても不思議はありません。そんなわけで裁判後の山口さんへの支援も考えていかなければならないと思います。
 よく対応策を整えて臨みたいものです。今後ともお力添えをいただければ、幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。