世界遺産の目前に来ていたのですが、景福宮(キョンボックン)に入って見学するか、仁寺洞(インサドン)に戻ってお茶にするかと聞くと、やはり全員声をそろえて「お茶」と答えました。いやあ、残念ですけど、次の機会にします。サ・ジェミンくんが、この宮殿の裏に当たる北側に大統領官邸があり、そのそばにソウル盲学校があると教えてくれました。また、そこからすぐ東側の丘の上が北村韓屋と呼ばれる、昔の貴族(ヤンバン)の住んでいた屋敷があったところで、ソウルでも人気の観光スポットになっているとのことでした。韓国ドラマに良く出てくるところだったので、是非行きたかったのですが、丘の上は風が吹いて寒いといわれて、すぐに諦めました。こんどは東に向かって、大きな通りの歩道を歩いていくと、市役所の近くまで戻ってきました。さらに東に行くと段々ブティックや飲食店が増えてきて、とうとうホテル近くの仁寺洞(インサドン)の通りの入り口まで来ました。歴史散歩コースのご一行のみなさまは、もうくたくたで限界、理恵さんが、さっと動いて新築されたばかりの喫茶店を見つけてくれました。そこで、ついに歴史散歩オプションツアーは終了となりました。迷子も忘れ物もトラブルもなく、めでたし!めでたし! 寒い中、ほぼ1日付き合ってくれたみなさん、本当にありがとうございました。

 韓国茶のお店は2階にあり、まだ誰もいなくて貸切状態でした。各々ゆず茶、うめ茶、かりん茶、しょうが茶など、好きなものを注文しました。私は、多数派で、しょうが茶を飲みました。サ・ジェミンくんも同じで、家でもよく作ると言っていました。カップの底にたまっているしょうがは、とても辛いので食べないほうが言いと忠告してくれましたが、食べてみると案外おいしくて温まるので、みんな食べてしまいました。韓国では、やっこ豆腐や根しょうがは食べないのでしょうか。それから、かりん茶の「かりん」とは、どんな果物かが話題となりました。私はゆずのような柑橘類を想像していたのですが、どなたかが措いてあったかりんを持ってきて触らせてくれました。洋ナシのような形で、石のように固い果物でした。包丁でも切れないそうです。どうやって調理するのでしょうか。女性たちの買物グループと、電話して落ち合えるか確認したところ、今、名洞(ミョンドン)にいるということだったので、時間的に無理だと諦めました。

 お茶の後は、ホテルに帰る人と、音楽鑑賞に行く人とに別れました。

 大川先生親子と南沢先生と理恵さん、そして私の五人は、タクシーで、なんと梨花女子高校の向かい側にあるという劇場まで行きました。タクシーの料金は、3500ウォン(350円)と日本よりも大分安かったです。その劇場でやっていたのは、「ミソ」(食べる味噌ではありません。)という三角関係の恋愛劇で、とても人気があって、もう5年間も連続上演しているのだそうです。座席は劇場中央の上の方の席でしたが、傾斜が急にできていて、前の人が全く邪魔にならないように造られていました。少し怖いといっていましたが、とても良い位置でした。上演開始まで、まだ少し時間があったので、お土産コーナーに行くことができました。お人形とか写真とか、小物があったようです。大川先生のお母さんが、色々買ってきて見せてくれました。私は、学校で弱視の生徒に見せようと、韓国衣装を着けた女性のしおりを3枚かいました。

 劇が始まると台詞はほとんどなく生演奏と歌が連続してありました。俳優さんも舞台上にいて踊ったり演技したりしているようなのですが、声を出さないので全くなにをしているのか分かりませんでした。女性の弁士がいてストーリーを話したり歌を歌ったりしていたと聞きましたが、あまりにも歌が完璧でCDを流しているのかと思いました。しばらくうとうとしていたのですが、急にドラやシンバルみたいな楽器が鳴り出して、皿回しのショーが始まりました。そのあと太鼓の合奏があり、日本の叩き方と違っていて、なかなかの迫力で、良かったです。中国のニコゃ日本の雅楽の笙のような音のする学期の演奏もあって、飽きずに聴いていることができました。5万ウォン(約5千円)と、ちょっといい値段でしたが、韓国の学期や声量のある歌声を生で聞けたので、十分満足できました。終了後、主役の俳優さんと撮影できる場所があったので、主演の男優さんによく似ていると、みんなに言われた大川先生が、可愛い?主役の女優さんと2人で並んで写してもらいました。私もその横に座ることになり、なんだか2人の恋を邪魔する悪役のような感じでした。

 劇場から外に出ると、冷たいものが頭に…、そう雪がチラチラ降っていました。年の瀬の雪もなかなか情緒があって、いいものですね。でも寒い。劇を見てから、静かな雪道を恋人と2人で…。駄目駄目ここは別れてしまうという迷信のある歩道でした。タクシーは、捕まえられそうにないので、少し歩いて地下鉄の駅に行きました。たった1駅で、朝乗った鐘楼駅?につきました。一日中歩き回っていたような気がしたのですが、意外と近い場所を回っていたようです。

 夕食の待ち合わせ時間の7時よりも40分以上早くセンターマークホテルに着くと、サ・ジェミンくんとキム・ナヨンさんがロビーで待ってくれていました。そして呉泰敏先生と、奥様もロビーの椅子にすわっていらっしゃいました。話を聞くと、もう2時間近くここで待っているということで、びっくりしてしまいました。まだ、時間があるようだったので、サ・ジェミンくんに頼んで、韓流ドラマのCDを買いに行きました。ジェミンくんは、さすが読書好きだけあって、本屋さんの場所をよく知っています。小走りで鐘楼駅?の近くの本屋さんに行くと、地下のCD売り場に「チャングムの誓い」を売っていたので、それを買って戻りました。このCDには、主題歌だけでなく、韓国の低学年の小学生?が、可愛い声で合唱している、とても力強い曲があるのです。その歌を聴いていると、なんだかとても懐かしい感じがして、その子供たちの中に昔の自分がいるような不思議な気がしてきます。

 ホテルに着くと、すでにハサン障害人福祉館のキム・ホシク館長さんがガイドさんを伴って来られていて、指田先生が紹介してくれました。それから夕食を食べるレストラン探しになり、宮地先生が、見つけてくれたところに行くことになりました。その店は、狭い路地を奥の方まで入ったところにある家庭料理の店でした。この家庭料理の店は、調理人が一人らしく、理恵さん、サ・ジェミンくん、キム・ナヨンさん、他の方も…、店員代わりに運ぶのを手伝ってくれました。ビビンバとジャガイモのちぢみが、おいしかったです。私は、指田先生、呉先生夫妻、館長さんと一緒の席で、他に宮地先生と長尾先生、ガイドさんがいました。館長さんの身長が196cmもあることや、呉先生の奥様が葛飾盲学校をご存知だと聞いて驚きました。その後、日本の盲学校のことやスポーツのことなども話題に成りました。帰国してから分かったことで、大変失礼なことになってしまったのですが、呉泰敏先生の奥様が、3年前に点字図書館で韓国の視覚障害教育について講演されていた、あのソウル盲学校の英語教員、キム・インヒ先生だったのです。送信履歴から3年前の送信メールを発見しjvtのmlに送信したところ、指田先生がそれを見て教えてくれました。お顔が見えていれば、こんなことにはならなかったと思いますが、3年ぶりの再会でしたのに、本当に申し訳ありませんでした。また、韓国では、結婚しても氏名を変えないことも知りませんでした。どうかご容赦ください。日本に似たところも多いとは思いますが、やはり外国なんですね。そのごは、10人ぐらいでホテル前の喫茶店に行き、コーヒーを飲んだり甘いものを食べて帰りました。こうして、今日も長い一日が終わりました。

 とうとう12月30日(月)最終日となりました。センターマークホテルのおいしいバイキング朝食とも、お別れです。荷物をまとめて、パスポートを金庫から出して、お財布と携帯をポケットに入れて…。ああもう終ってしまうのか。まだまだ韓国の先生方とも話し足りないし、ソウル観光もせめてもう一日ぐらいしたい。そんな思いに駆られながらも、時間は刻々と過ぎて、ドタバタしながら支度を済ませ、急かされるようにロビーに着きました。もうすでに会長のパク・チュンボンさん、イ・ナヨンさん、イ・チンサさんが、ロビーで待っていました。みなさんもうすっかり顔なじみ? 声馴染みになって、親しみをこめて挨拶し、貸切バスに乗り込みました。サ・ジェミンくんが、一緒に来てくれて、宮地先生が最後に使うことになった段ボール箱のステップを置いてくれました。中身が空っぽになってしまったので、潰れてしまわないか心配でしたが、なんとか無事に乗り込むことができました。全員乗り込んだかどうか理恵さんが点呼を取って、バスは金浦空港に向けて出発しました。

 車内では、会長のパク・チュンボンさんが、早速、マイクを持ってお別れの挨拶をし、それをサ・ジェミンくんが通訳してくれました。その後、日本側の参加者が、一人ひとりマイクを回して、感想やお礼の言葉を話していきました。すると韓国側の3人の先生が大慌て、録音するのでレコーダーの準備をしたいということになり、ちょっと中断しました。バスは順調に走っているようで、ちょっと話が長い人がいると、最後の人まで回せるのかと、冷や冷やしていました。でも、ちょうど良い時間で終了し、最後に、是非日本にきてくださいと言うと、これから検討していきましょうということになりました。降りる間際に会長さんから、2枚組みの立派なカレンダーを、お土産にと参加者の人数分いたたきました。また、その他に、4枚1セットのDVDの映画と、MP3CDを5枚いただきました。説明によりますと、ガイド音声付のえいがなので、朝鮮語を勉強している人には勉強になると思うので見てくださいとのことでした。

 帰国後に朝鮮語の分かる人に読んでもらったところ、映画の方は、「王様 クアンホ」(新作映画だそうです。)、「怪人X」、「狼少年」、「タワー」の4枚だそうです。MP3CDの方は、視覚障害児用の童謡集だそうですが、プレックストークで聞いてみると、歌はほとんどなく、若い女の人と可愛い子供との演劇のような台詞のやり取りでした。きっと、とても面白いことを話していて、演技たっぷりで楽しそうなのですが、意味が分からず残念です。金浦空港には、10時半ごろに到着し、一人ひとりお別れの握手や言葉を交わした後、全員で記念撮影をしました。3日前に到着した時は、夜で冷たい風が吹いていましたが今は、とてもいい天気で、日差しも温かく感じます。韓国のみなさん4人は、わざわざ空港の中まで見送りに来てくれました。特にサ・ジェミンくんは、荷物を運んだり、トイレに案内したり、出国手続きぎりぎりまで、よく手伝ってくれました。男性の同行者が、高橋先生お一人だったので、彼の存在は、とても助かりました。

 別れを惜しみながら出国手続きカウンターを過ぎると、寂しさと、やり遂げてほっとした気持ちと、拡大役員会から5日間の疲れがじんわりと感じられました。待合室では、各々自由に過ごし、お土産を買ったりコーヒーを飲んだりしていました。私は、高橋先生に無理を行って捜すのに付き合ってもらい、王様とお姫様の置物と、南大門のマグネットを触察教材用に買いました。王様はとても面白い四角い帽子をかぶっていましたし、南大門の本当の形もやっとそこで分かりました。飛行機に乗るとやはりみなさんお疲れモード、寝ている人が多かったようです。フライトはとても安定しすぐに昼食が出されました。帰りは、ジェット気流(偏西風)のおかげで、往きよりも30分速い2時間で羽田空港に到着しました。そして入国手続きをさらっと済ませ、お土産を沢山買い込んで増えてしまった荷物を待ちました。中には大きな段ボール箱もあって驚きました。みんなの小物をそれに入れて預けてくれたそうです。その中から、お土産にもらったカレンダーを皆さんに配って、それぞれの荷物と帰宅経路を確認した後、漸く解散となりました。気をつけて帰ってねエー。

 8月の福井大会を契機にスタートした今回の韓国との親善交流ツアーの取り組みでしたが、特に10月からの3ヵ月はハードな毎日でした。指田先生のきめ細かいお膳立てと、南沢先生の強力なバックアップのお陰で実現した今回のツアーでしたが、参加してくれた視覚障害の先生方の並々ならぬ意欲と、献身的な同行者の方々のサポートのお陰で、大成功を収めて無事終了することができました。みなさんに感謝します。本当にありがとうございました。万歳! 万歳! パチパチパチ。以上、これでやっと終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。れい、ペコリ


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